2月11日(月)の例会報告 
(この報告は、プライバシーを配慮しながらも、仲間達がどのようなことで悩み、
どのように対応しているかを共有出来ればという思いでまとめています。)
1月の勉強会に続き、2月11日(月)の勉強会は
「NPO法人市民後見センターさいたま」の理事長の中田さん、
同理事の井上さん、そして実際に後見人をされている方の話し
を伺いました。兄弟姉妹の参加者は11人、前回と同じく、分か
ち合いの時間を取り、今置かれている状況を共有しながら進め
ました。
<分かち合いで話題に出たこと>
・ ACT、認知行動療法など勉強会に参加した、コンボの会員にな
った、など。
・ 長期入院になっている当事者との面会、関係や距離のとり方、
「保護者」になることへの抵抗感など。
・ 当事者へのサポートサービスを利用していきたい。
・ 地域で暮らしている当事者の居場所探しの困難さ。
・ PSW(精神保健福祉士)の試験を受けた。
・ グループホームを運営できないかと検討中。
・ 後見人は専門職が特化するものなのか。
参加して感じるのは集う兄弟姉妹それぞれの困難さを感じつつも、
各々の歩み方で考えたり行動をしている姿が、1人で悶々と悩む
自分をどこか励まし、時に知恵を頂いたりするということです

。
<「市民後見人について」 勉強会のまとめ>
親亡きあとのことは、兄弟姉妹の立場としては最も気掛かりなことと
言ってもよいかと思います。2000年に始まった後見人制度は当事者
の人権を守ることは第一として、兄弟姉妹の困難さも支えてくれる制
度として期待したいところですが、身近でなかなか実際の運用の話を
聞かないのも現実です。ですが、「制度」と「現実」、その矛盾にぶつ
かることも一歩前進と思いたいところです。
今回は実際の運用を中心に話を伺いましたが、後見人制度の全体像
については以下のサイトがわかり易いと仲間から情報を貰いました。
社団法人 日本精神保健福祉士協会 認定成年後見人ネットワーク
「クローバー」のサイトです。
以下が講義や資料から印象に残った内容です。
・ 「後見人制度」が出来たのはよいが行政のサポートが弱い
(無い?!)。
・ 「兄弟姉妹」の生活を大事にして欲しいという思いで自分達は在る。
・ 成年後見制度には「法定後見」と、あまり知られていない「任意後見」
があり、後者は判断力があるうちに将来の判断力低下に備え、「任意
後見人」になる人と支援してもらう内容について契約し、公証役場で
公正証書を作成すればいい。(法定後見は家裁が決定。)
・ 後見人には以下がある。
★ 「親族後見人」
★ 「専門職後見人(弁護士、司法書士、社会福祉等)」
★ 「市民後見人」
・ 「市民後見人」は 新しい公共、第三の家族、市民による市民のための
体制。
・ 今後400万人を越えると推定される認知症者、すでに300万人を越える
精神がい者、60万人といわれる知的障がい者に対応するため、人口
の1パーセント、120万人程度の後見人が必要だが、現在は20万人
程度であり、親族、専門職だけの対応では困難。特に今後、段階の世
代が70歳代になって来ることを考えると、必須となっていくのでは。
・ 市民後見人養成講座プログラム ・・・・・ 128時間/1年
(東京大学市民後見活動室)
・ 「NPO法人市民後見センターさいたま」の三本柱・活動
★「生活支援 あんしん見守りサービス」
★「任意後見・法定後見受任」
★「死後委任契約」
- 相談業務
- 啓もう活動 展示会、講演会、セミナー(24年度は14回)
- 後見人活動 5件 ( 相談中14件 )
- 市民後見人養成 (直近ではH25年3月開催予定)
・ さまざまなサービス、仕組みとのネットワークの構築、バランス良く
コーデイネートしていくことが大事。
生活支援センター、社協、地域包括、民生委員、福祉施設など。
・ 現在は、実際の活動の中で「標準化」を模索中。
・ 行政のやること、自分たちのやることの切り分けも大事。
・ 組織で受けることで、不祥事の防止や後見人の死亡などに対応して
いけると考えている。
・ 多大な期待をされると難しい。兄弟姉妹(親族)に一緒に入って
貰い一緒に考えていくということを逆に期待している。
共同後見人になるなど。
・ 費用については
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実際の後見人の利用は5件ということで、実際の利用の難しさも感じま
すが、それでも相談窓口としては実際に兄弟姉妹の仲間が度々相談
に載って貰っていることを聞いていて、兄弟姉妹にとっては心強い見方
だとも思いました。尚、相談は無料のようですが、行政からの助成金は
活動に十分ではなく、応援する個人、法人の参加も募集中です。
以下はHPです。 月一回勉強会も開いているとのことです。
理事長の中田さんはじめ、快く来て頂いた、
「NPO法人市民後見センターさいたま」の皆さま、
ありがとうございました。皆さんの熱意に今後も期待しています。
今後ともよろしくお願いします。