7月27日(日)の例会報告
今回は,神奈川県川崎市麻生区百合丘にある、「NPO法人 たま・あさお
精神保健福祉を進める会(SKY)」が運営する地域生活支援センター
「ゆりあす」と、グループホームの見学を企画し7人の方が参加しました。
この見学に当たっては仲間の中で、親亡き後の居場所として、グループ
ホームという場所を知っておきたいという要望が強かったことと、1昨年の
兄弟姉妹の会の札幌交流会で、同室になった埼玉会の仲間が、SKYを
支えているお1人である三橋良子さんから情報を得ていたことがきっかけ
となりました。三橋さんには貴重なお休みの時間を割いて頂いて丁寧に
案内して頂き、本当に感謝です。
「ゆりあす」見学
新百合ヶ丘から車で5~6分。起伏のある土地にH20年にオープンした
というまだ新しい建物(川崎市が建設)の2階部分が「ゆりあす」です。隣
には精神保健センターがあります。因みに川崎市は人口140万人の政令
指定都市でもありますが、大阪市についで精神関連の病床数が少ないと
のことで、リハビリテーション医療センターなど、もともと先駆的な活動の
をしてきたベースがある地とのことです。
ここのスタッフは常勤7名、利用時間は月~土の10時~20時、利用料は
無料。4年間の登録数は446名。(ただし、1回/年以上利用している人は
半数とのことでしたが。)その他ゲームや楽器などが置いてある交流の
部屋、パソコンなどが学べる部屋、1人で横になれる部屋、お風呂(シャ
ワーあり:有料)、キッチンと食堂(利用者が自分たちで作ってたべる)
などを、ピアサポート活動にも係わる利用者の方から直接説明を受けな
がら見させて頂き、食堂では当日の利用者の方とも交流させて頂きまし
たが、その時に三橋さんの、専門職として話すだけでは砂を噛むよう、親
や兄弟の話に比べ当事者の話は奥が深い、というような言葉に考えさせら
れたひと時でもありました。
尚、この「ゆりあす」では、「気分障害」の方の割合が多いとのこと。
利用者の年齢で多い順に、40歳代、30歳代、50歳代とのことですが、
60歳代で亡くなる方がけっこう多いと聞いて、やはりここでもそうなのだな
と日頃の気掛かりを重ねました。
「カンタービレ」と「きらくや」を見学
その後、「ゆりあす」から歩いて7~8分の、借り上げのグループホーム、
「カンタービレ」にお邪魔しました。ここは家賃5万円で、土日祝以外は毎日
500円で夕食が共同の場所で提供され、職員8人での24時間緊急対応と
のことでした。ここでも実際に住まれている方にお話を伺い、家族との同居
や病院生活の時より自分らしい生活を送れているという話を伺いましたが、
職員の方が、「SOSを本人から出せるフォローの仕方に取り組んでいる」
という言葉が印象に残りました。
さらに、百合丘駅近くにある一軒家を利用したグループホームで男性4人が
1人1部屋で暮らしている「きらくや」にも案内して頂きましたが、ここでは20
~30年入院してきた方もいるとのことでした。ここでも水、日以外は夕食の
提供があり、見学時に職員の方が料理をされているところでした。尚、お風
呂の利用などは「あうんの呼吸」で利用していると、ここでも初めから終わ
りまで利用者の方が説明して下さり、お部屋まで見せて頂いて感謝でした。
「グループホームで自立した生活」という姿は、今回参加した多くの方にとっ
て、1つの理想の姿かもしれませんが、実際のところ、グループホームに入
居出来る人は限られるのが現実です。ですが、今回お一人の当事者の方か
らも(グループホームではない)1人暮らしが気楽で良い、という言葉を聞いた
けれど、「1人暮らし」ということなら、地域のサービスが利用できれば、それ程
遠いものではないのかなという思いを更に深めました。身近にさまざまなサー
ビス、相談できる場所、人が居ること、これが大事だと。
三橋さんを含め、今回の見学にご協力頂いた皆さん、特に当事者の方々の案
内や貴重な言葉、お部屋を見せて頂いて、ありがとうございました。いろんな場
所で当事者の方が、普通の生活をしている姿、その思い、言葉が、私たち兄弟
姉妹を励ましてくれたり、考えるきっかけになることを、ここでも思いました。